Vol.26

貴方が決めて♪ いくらか決めて♪

学生時代に所属していたESSという英語のクラブで、年に1度“足長おじさん募金”の活動に参加した事がありましてね。 お茶の水の駅前で募金箱を片手に、「足長おじさん募金にご協力お願いしまーす!」と、朝から晩まで大きな声で叫び続けるのです。 中学、高校と野球部だった私は(何でオレ、こんな事やってんだろ?)と思いながらも、ウチのクラブは先輩の代から毎年協力しているとの事だったので、どうせ協力するなら誰よりも多く集めてやろう!と、そりゃあもう人一倍頑張りましたが、結構恥ずかしいもんだったね。

チャリティーイベントや募金活動への協力は、自分の心と懐具合に余裕があり、しかも自分の気の向いた時に初めて財布の紐をゆるめるもの。 ハロウィーンピン発売の季節、駅前で小さな子供たちが赤い羽根募金の協力を一生懸命呼びかけているのを見ると、ついその赤い羽根欲しさ(笑)に財布の小銭を一掃してしまうのだが、ハッキリ身元のわかっていない団体の募金活動には少々胡散臭さを感じてしまうもので、特にどこそこの噴火や地震等の被災者にあてられるという募金の中には、協力を呼びかけている人間自体がいかにもインチキ臭い言動で近寄ってくるヤツもいて、(本当に被災者に届けられているのか?)と、どうも疑わしく思えてしまう時がある。 私はテレビ番組やニュース等で寄付を募ったりしていた時に、ちょっとだけ協力させて頂きました(小額だけど)。

どのチャリティーに協力するか、いくら寄付できるのかなんてのは人それぞれ、自分で決めればいいものでしょ? 金額は少なくても、貴方のその優しい気持ちがあればそれでいいのです。

数年前、ロサンゼルスの空港にて。 出張の仕事も終わり、日本に帰国する大韓航空の乗り継ぎ便を待っていた時でした。 白衣のおばさんが十字架マークの募金箱を抱えてしきりに募金を募っていたのです。 その時は彼女の氏素性など気にもならず、ジュースとサンドウィッチを買い求めたお釣りの小銭を気持ちよく募金箱に放り込んでいこうじゃないかと、私の方から近寄って行きました。 私が協力した金額はせいぜいUS$2くらいだったのに、何故かわざわざ署名までして欲しいと言うので、(面倒くせーな・・・)と思いながらも顔だけは終始笑顔で名前を書いてあげましたよ(味のある文字で)。 礼はいらないよ♪とばかりにその場を立ち去ろうとすると、なんと募金の最低金額が決まっているので50ドル払って下さいと言う。

何言ってんの、このおばさん? さすがの私も「金額なんて個人の気持ちの問題なんだから、最初から決められているのはおかしいぞ!」と言ってやったんです。 だいたい誰が50ドルという金額を決めたんだっつーの(あんたか?)。 態度が豹変したこのおばさんは一向に退こうとしないので、署名した時に使ったボールペンをもう1度奪い取り、私の名前を二本線で消してあげました。 そもそも募金ってどんなもの? 別に強請じゃないんだからさ。 ヤダねったら、ヤダね〜♪ ウチの町内会の寄付も同じ、一口500円と決められているんだな、

「あ〜あ、せっかく1万円寄付しようと思ったのにねー!!!」


HRC Japan White Bass Steve Harris Model

今回日本のHRCで発売された“IRONMAIDEN”ベースギターピン、皆さんも買いましたか? これなら自分の好きなピンをコレクションのために買うだけで、私達までその企画にしっかり参加出来る訳ですから、誇らしく思ってもいいんだし、たくさんの人に受け入れられるでしょう(私も5つ買いました)。 日本で初めてのチャリティーピンは、国内6都市の何処へ行っても同じモノを売っていたので、私達コレクターも慌てずに安心してGET出来ましたね。 限定ピンにも関わらずシティーピンと同じ¥735で発売されたこのピンは、スタッフの方々も今回は従業員割引では買わずに定価で購入したとの事、そのスピリットが嬉しいじゃありませんか。


Nashville In Memory of Bryan Hoskins
Houston In Memory of Dominic
Orlando Cafe In Memory The Bass Man

ピンコレクターズガイドにも説明が載っておりますが、事故で亡くなったHRCオーランドのマネージャーへ追悼の意をこめて、彼の所有していた気球のデザインのピンが作られたのは有名な話。 上のような追悼のピンは、チャリティーと言うより一般発売されずに従業員の間で売られたモノが多いので、コレクターの間ではすっかりスタッフピンのような扱いになっています。

と言う事は、やっぱり他のイベントピンと比べて作られた数が少ないって事らしい。 作られた数が少ないと、そのピンの存在を知ったコレクター達はやっぱり欲しくなるよねえ。 店側としては仲間の追悼のためにせっかく作ったピンを、スタッフたちがいとも簡単に手放してしまったのでは面白くない訳だね。 いくら店で売られなかったアイテムでも、特に入手が困難なピンではないし、この3つのピンが既に私の手元にあるように、それがピンバッジである限りは確実に世界中に流出していくもの、誰にも止められません。 それだったら始めから、“チャリティーピンとして発売する!”というコンセプトを掲げた上で一般発売した方が、もっとたくさん寄付も集まったんじゃないのかね? 日本のHRCの方が全然賢いじゃん。


海外で行われるピンコレクターのイベント、今や世界中あちらこちらで開催されていますね。 と言うと、(それじゃ、何で日本ではやらないの〜?)と思う人もいるでしょうが、それはやっぱり無理っちゅうもんよ。 コレクター仲間が集まるオフ会とはワケが違うしね。 日本国内でピンコレクターのイベントを実現させるには、実に様々な問題をクリアしなければならないのです。

ピンコレクターのイベントは今のところアメリカとヨーロッパのみ。 もしアジアで開催される可能性があるとしたら、BANGKOKかBALIくらいなものだろう。 もっと近場で日本人コレクターが気軽に参加できるようなイベントあればどんなにか楽しい事だろうけど、アジアの何処かで開催されたとしても日本からわざわざ行く人なんてそんなにいないでしょうね。

日本はね、世界中のコレクターが欲しがるピンがたくさん発売されているのだから、とりあえず私も現在のスタンスを崩さずに、こちらの新しいピンを細々とオファーしながら少しずつ海外の面白いピンを集めていきます。 まだまだ日本はHRCピンコレクションのマーケットが小さすぎるんだね。 日本で手に入るスタッフピンというのがほとんど無いので、結局日本人が海外にオファー出来るのは新しいイベントピンのみなんだし、もちろん日本にも一応OSピンはあるけど、1つ手に入ったら自分のコレクションに入れちゃうでしょ? トレード用に日本のOSピンを幾つもGETした人っているのかね? HRC福岡のOSピン、既にバイトを辞めてしまった元スタッフなら手放そうと考える人もいるでしょう。 コレクションを続ける訳じゃないのなら他のピンとトレードしてもしょうがないので売りたいと思う気持ちはわかるけど、つい最近なんと5〜10万円で売りたいと希望している人がいるって噂を聞いたよ(ビックリ)。 いくらなんでも相場を知らなさすぎなんじゃないのかな? 売るなら海外のコレクターに売りなよ、多分その値段じゃ誰にも相手にされないと思うけどさ。 日本のコレクターもナメられてんのかな、うっかりなくしてしまいなさい(笑)!と思っちゃったりしてね。 そんな輩がいる限り、いつまで経っても日本でのイベント開催は無理そう、コレクターのイメージもますます悪くなっちゃうんじゃないかと心配です。


San Francisco Poly Klaas Charity Guitar

先日参加したラスベガスのイベント“PINDEX”はハードロックホテルが主催したものでしたが、一般コレクター(と言ってもそんじょそこらの人じゃ出来ないが)によって企画され、会場となるHRCの全面協力でイベントが開催されるケースもあります。

イベントではチャリティーオークションがつきもの。 事前に世界中のコレクターに告知され、世界中の団体/個人の寄付により集められたHRCグッズの数々は、当日イベントの会場にて行われるオークションによって現金に替えられ当事者に贈られます。 参加する、しないに関わらずドネーション(寄付)する事は出来るので、いつか海外のイベントに参加してみようと思っている人は、コンタクトをとってみては如何でしょうか? 今年の7月にサンフランシスコで行われたイベントは、ピンのメーカーのバックアップにより同じデザインで色違いのプロトタイプギターピン等もイベント用に用意されていたので、バッチリ今回のオークションの目玉商品になりました。 私が送ったピンはそんなに価値のあるものばかりではありませんでしたが、オークションにかけられる事を考えると、日本のピンならば中途半端に何処かの都市のモノを2、3個出しても誰も欲しがる人がいなければ意味がないので、とりあえず6都市揃って出品されれば、全都市セットとして何かの足しになるでしょう。 もちろんピン以外にも、例えばビーニーベア等も喜ばれるので、こちらは単品で気軽に協力する事はできます。

7月に行われたこのチャリティーの主催者は、上のギターピン以外にもワシントンDCのスウェット、イベントのラミネートカード他、結構いろんなグッズを送ってくれました。 寄付を贈る時は何の見返りを期待してもしょうがないけど、今までに協力したチャリティーイベントの中には、私が送ったピンが何ドルで落札されたのか、合計いくらの寄付が集まったのか等の報告も一切送られてこないケースもあったので、イベントの規模とその目的、信頼できる主催者なのかどうかを見極めてから申し出るといいでしょう。 日本のHRCも、ある都市(さあ何処でしょう?)からグッズの寄付が贈られた事がありました。 今までピンコレクションやイベントに関しては、日本のHRCってちょっと縁遠い感があったから、ネット上でその情報を見つけた時はとっても嬉しくなりましたよ。


最近は次々と新しいピンが日本のHRCから発売されているので、チャリティーどころじゃないんだよな。 今まで日本のイベントピンを残さずGETしてきた人は、そろそろ疲れてきたんじゃないのかな? かく言う私も、ミレニアムセットやカレンダーギターピン、OSやバースデーピンに至るまで、この10年間に日本で作られた限定ピンは出来るだけ残さずGETしようと努力してきましたが、ちょっと限界を感じてきている今日この頃です。 自分のまわりで相次ぐピンの発売についてゆけずにコレクションをやめていった仲間が続出している中で、惰性と義務だけで買い続けているのは全然楽しくないもんね。 もちろん最初から自分の気に入ったピンだけを買っている人にとっては、たくさん種類があった方が嬉しいし大喜びなんだけどさ。 さすがに私は今更コレクションをやめる事は出来ないので、これからも楽しくピンを集め続けていきたいと思っていますよ。 果たしていつまで続けていられるかな? そんなの考えた事もなかったけど、コレクションをやめてしまったら廃人になってしまいそうだしね(笑)。 他にも何か楽しい趣味を見つけてもいいんだけど(コレクションじゃない何かね)、誰かオレを救済してくんないかな〜(笑)。

今日も眠いので、続きはまたのちほど。


Vol.27

Back