Vol.28-3
イベント当日、朝8時。 ホテルの朝食をとりながら、ぐっち君と今日の予定を確認する。 とは言うものの、お昼の12時にHRCがオープンしたら、もう夜遅くまで何処かへ行くこともないとは思っていたけどね。
ロゴ: 「昨日誰かが言ってたけど、HRCアムステルダムの2周年ピンが今日発売になるんだってさ。」
ぐっち: 「そうらしいですね、おそらく1人5個しか買えないでしょうから、そんなに慌てなくても大丈夫です。」
ロゴ: 「甘いな、ぐっち君。 2時間前には現地に着いて、いろんな人と名刺交換しないとな!」
ぐっち: 「で、でも今日の午前中くらいしかゴッホ美術館に行ける時間が・・・・。」
ロゴ: 「そうだろう、そうだろう! とりあえず今すぐ出発しようぜ!」
バッグが丸くなる程ピンを詰め込み、さっそうとアムステルダム駅へ向かう私たち。 足取りも軽く、まもなく始まる大イベントに胸を膨らませる。そしてあと数分で駅に到着というトコロで、“CASINO”と書かれた看板を発見した!
ロゴ: 「あ、ゲーセンだ!!」
有無を言わさずCASINOに吸い寄せられていく私。 「ほほう、よく来たな。 まあ座れ、ぐっち君。 ルーレットのコツってのはだね・・・。」とギャンブルをやらない彼に手解きをする。
ぐっち: 「あの、あんまり時間が無いんで・・・。」
ロゴ: 「え、スロットの方がいい? よし、ベガスで鍛えた実力見せてやる!」
ぐっち: 「いや、早く行かないとゴッホ美術館のお土産が・・・。」
(午前10時のHRCアムステルダム。 2周年ピン大人気!)
結局2人はゴッホ美術館へは行かずに、早めにHRCに向かって本日発売予定のピンも残さずGETしようという事になる。 (ふっふっふっ、女の子にお土産を買って自分だけヨロシクやろうとは、そうは問屋がおろさんぞ!)と、ヤツの美術館行きを阻止した満足感で終始笑顔のロゴホリック(笑)。 「結局そんなに時間の余裕はなかったね、12時に予定されていたレストランのオープンも30分以上早く開店したんだから、ココへ直行して大正解だったでしょ?」と話しかけると、ぐっち君も「いやホント、早めに来てよかったですね!」と喜んでいた。 CASINOに寄り道した事を思い出させないようにしなければ。
そしてHRCに着いた時には、既にマーチャンダイスの前には長蛇の列! そして列があれば必ず並んでしまう習性を持つのがオレたち日本人(笑)、30分以上は待ったかね。 ココでは昨年ラスベガスで会ったアメリカ人や、インチキくさいイタリア人コレクター、アジアピンのニセモノを売りさばく東南アジア人など、仲のいいコレクターから怪しいディーラーまで、実に様々なコレクターが集結しているのだ。
その時、後ろから1人のアジア系の顔をしたおじさんがぐっち君に話しかけてきた。 彼もすぐに誰だかわかったらしく、激しいボディランゲージで挨拶に答えている。 話を聞くと、昨年夏に中国旅行をした時に知りあった、HRC広州の店長らしい。 オレも名刺をもらって初めてわかったよ、そういえばこのPATRICKって名前は、HRHの掲示板でよく見かけるもんな。 しかしぐっち君、海外店舗の店長とも顔見知りとはスゴイじゃないか! なんでもイベントの数日前には東南アジアで仕事の用事があったらしいのだが、ピンコレクターの彼はそちらをキャンセルしてアムステルダムへ来たという。 でもこの人、そこまでしてぐっちに会いたかったのかね・・・(笑)。 海外のHRCは、店長まで堂々と仕事の休みをとってイベントに参加しちゃうんだね。 それよりも、自分の本名のままトレードの申し込みをBBSに書き込むスタッフがいるという事実に私は驚いたよ。
ふと横を見ると、PinTwinsという2人組のコレクターを発見! そうそう、いつも彼らのページからRONのプライスガイドをダウンロードしてるから彼らの顔も知ってるよ。 直接会うのは初めてだったからちょっと挨拶してみたんだけど、とっても愛想のいい2人組なの。 特にAchim君というのは、まるで笑い袋みたいな男。 コイツら面白れ〜、一緒に写真を撮りたくなったよ。
ロゴ: 「ぐっち君、またまたシャッターを頼めるかい?」
ぐっち: 「はいはい、いいですよ。 それじゃコッチ向いて、笑って・・・。」
ロゴ: 「ちょっと待って! 1つ確認しておきたい事があるぞ!」
ぐっち: 「あ、フィルムを巻かないんですよね? 大丈夫です、ちゃんとわかってますよ。」
ロゴ: 「あそ、んじゃ頼む。」
ぐっち: 「準備はいいですかー、 はいチーズ♪」 パシャ☆ カリカリカリ・・・・・ 「あっ、しまった!!!」
(ニワトリか、テメェ!)と言いたくなるも、ここは我慢だロゴホリック!
ぐっち: 「すいません、すいません・・・。 あれほど確認したのにな、ダメなボク・・・。」
ロゴ: 「ま、まあ気にすんな。 誰でもウッカリはあるもんさ(青筋ピクピク状態)。」
ショップで買い物をすませたコレクター達、今度はレストランの前に並ぶのです。 入口で受け取った、参加者1人1人の名前が書かれたショッピングバッグの中には、PIN−Marchのラミネートカード、イベントのパンフレット、非売品ピンの引き換え券など記念品がドッサリ入っていて、2人で袋を開けながら大騒ぎ。 もう自分達のトレード用テーブルを確保する事などすっかり忘れておりました。
まあいいや、テーブルを1つ陣取って他のコレクターが来るのを待つよりも、自分のバッグを片手に店中を歩き回った方が欲しいピンも見つかるだろうと、早速トレードを始めましたよ。 PIN−Marchというイベントは、ピンの売買が当たり前のPINDEX(ラスベガス)とは違い、トレードがメインのようでした。 もし探しているピンがあるのならラスベガスのイベント、たくさんのコレクター達と仲良くなりたいのならヨーロッパのイベントへの参加をお薦めします。
(ご存知、伝説のウェイトレスRITA! 写真の掲載は本人の許可を得ています)
昨日の夜は、「明日になったら制服で来るからね♪」と言っていたRITAおばさん。 まさか食事まで運んでいるとは思わなかったよ。 ピンバッジもコレクションしているようで、胸には私の見た事もないピンがズラリと並んでいる。 ロゴスピのVol.16で紹介した勤続年数にあわせてスタッフが貰えるピンはもちろん、勤続25年ピンという金色に輝くピンバッジまで見せてもらった。 アンタだけでしょ、こんなの持ってるの!
そんな彼女、私がアメリカ人コレクターとトレードを楽しんでいるトコロへ、「ニホンノピン、ホシイナ〜。」とおねだりに来ましたよ。 あらおばちゃん、カワイイとこあるねえ。 私が「どんなピンが好きですか?」と尋ねると、とにかく大きなピンが欲しいとの事。 私のタッパーケースの中身を熱心に覗き込んで結局彼女が選んだピンは、昨年日本の5都市から発売されたミレニアムギター5本! あれれ〜、それってたしか昨年末に200円くらいで安〜く買えたピンじゃなかったっけな? ホントにそれでいいのかね?
「デモワタシ、トレードデキルピンガナイノヨ・・・。」と寂しそうな表情を見せるRITAおばさん。 (別にいいのにさ、珍しいピンも見せてもらったし)と思っていると、「アッ、チョットマッテ!」と彼女は突然何かを思い出したように、ドスドス音を立てながら控え室に走っていきました。 そして私の元へ戻ってきたその右手には、“LONDON”と書かれたRITAベアのぬいぐるみが1つ! 「コンナノデモイイカシラ?」と、なんとタグにマジックでサインを入れて、私にプレゼントしてくれましたよ! うわ、こんなのわざわざロンドンから持って来てたの? これは旅の思い出になるねえ、こちらこそありがとう!とお礼を言ったら、彼女も日本のピンがホントに嬉しかったらしく、「ン〜マッ、ン〜マッ!」とか言いながら、顔じゅうにチューされました(笑)。
(RITAベアにRITAのサイン。 右は“LOGOHOLIC”と書いてもらった彼女の色紙)
このイベントに参加した世界中のコレクターのほとんどは、インターネットで参加予約をしたハズである。 もちろんピン1つ1つのトレードバリュー(価値)もわかっているハズなのに、みんなの気前のよさにはビックリ! 欲しいピンのGETに執念を燃やす初参加のオレ達とは違って、まるでお祭りに参加する事に意義があるようで、いかにも古そうなレアピンも、都市名の無い初期型ギターピンなんかまで、全て1:1でトレードしてくれる人ばかり! ぐっち君はと言えば、初めて目にする膨大なピンズの嵐にすっかり圧倒されてしまっている。 ちょっと、ぐっち君? 大丈夫か、目が充血してるぞ!
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