Vol.31-1
SPARKLING PINHEADS IN VEGAS!
1年ぶりのラスベガス。 どんなピンでも見つかるピンの祭典。 そして、他にもお楽しみがいっぱいのこの街に、今年もまた世界中から有名コレクターたちが集結してくるのです。 そんなビッグイベントに2年連続で参加できたならどんなに嬉しい事だろう(妄想)と、今年の春に私が掲げたさらなる目標は、“これからは毎回PINDEXに参加する!”。 1つの目的があれば観光など興味のない私は、昨年と同じホテルに宿泊し、同じホールでイベントが行われても全く気にならず、その3日間を心から満喫する事ができたのでした。
毎年恒例(まだ2回目)となっている私のアメリカ遠征、聞くところによれば今年のPINDEXは、前回とは比較にならないほど多くのコレクターが参加表明していたらしい。 昨年、イベントの1ヶ月ほど前に予約をいれても、難なくアーリーバードピン(先着150組にプレゼントの非売品)を手に入れていた私は、 (GETできないハズがない!)と余裕ブッこいておりましたが、今回エントリーした6月にはナント既に完売と言うのです! 限定ピンがもらえないとわかった事よりも、PINDEX2001が確実に1年前よりパワーアップしている事実を嬉しく思えたロゴホリック、参加が予想される海外のコレクターたちに連絡をとりはじめ、ベガス入りの予定時間や滞在日程を合わせたりなど、早速イベントに向けての下準備(裏工作とも言う)に とりかかりました。 私のPINDEXは、もう、始まっていたのです。
今回の旅行に同行してくれたのは、TAKこと“F大先生”と呼ばれる男。 何が大先生なのかと聞かれれば、コレといった特別な理由があるワケではないのだが、彼には1つの伝説があるのです。 昨年の自分の誕生日、この男は日本のHRCでバースデー当日に食事をするともらえるという、非売品の星座ギターピンを1つでも多くGETするべく、福岡以外の5都市を1日で周り、見事にギター5本と写真入 りワッペンまで5つ揃えてきたのです。 来年あたりは、ぜひ誕生日前夜12時以降に福岡でのバースデーコールからスタートし、新店舗ユニバーサルも予定に入れて、全7都市1日制覇の野望を達成して、その地位と名声を不動のモノにして頂きたい。 そして、こんな伝説の男と同行したならば、日本のコレクターをなめんなよ!と海外のコレクター達に強烈なインパクトを与えられるに違いないのである。 しかも私と同じ千葉県在住の彼は、初めて手にしたピンがラスベガスホテルのロゴピンだと言うのだから、なかなか見どころのあるヤツではないですか。
ロゴ: 「TAKちゃん、オレったらこのPINDEXは2回目だから、わからない事があったら何でも聞いてくれな。」
TAK: 「あ、それじゃ観光は私に任せてください、なんたってラスベガスは7回目ですから。」
私はこの時、(今回の旅行の幹事は彼しかいない)と自分に言い聞かせるしかありませんでした・・・。
(今年のPINDEXイベントピン。 値段は8ドルと、リーズナブルだった)
9月3日午前11時、ロゴホリック@成田空港。 約束の時間には、できるだけギリギリ登場したいもの。 何故って不覚にも何十分も早く着いてしまえば、(やっぱりロゴホリックも楽しみでしょーがないんだね)とTAKちゃんに浮き足立った私を悟られてしまう事になる! それなのにしっかり20分以上前に到着してしまった私は、待ち合わせ場所のカウンターから遠く離れた本屋を覗いたり、外人の子供にチョッカイ出したりしながら時間をつぶし、5分前になってようやくTAKちゃんを探し始め ました。
TAK: 「おはようございます、いよいよですね! 何時ごろ着きましたか?」
ロゴ: 「あ、いや、たった今・・・。」
TAK: 「そーなんですか、オレなんか1時間半前からココでスタンバイしてましたよ!」
ああTAKちゃん、なんて貴方はそんなに素直なの! 到着時間さえハッキリ言えないこのロゴホリックに比べ、HRCのシャツと短パン、ポーチを身にまとい、イベントに初参加する喜びを全身で表現している彼。 そうだ、人間は本来こうあるべきだったのだ! オレも生まれ変わるよ、ラスベガスに着いたら欲しいピンに向かって突き進んで行くよ。 もしオレがハジケちゃったらブレーキかけてね、イロイロ人には言えない予定もたててるから♪
ロサンゼルスで一泊予定だった私たちは、アメリカ上陸の喜びに浸る間もなくタクシーに乗り込み、早速HRCへ向かいました。 私が密かに抱いていた重大任務、“アメリカのバナナスムージーを飲もう!”という目的を達成するために、レストランに入るやいなやカウンターに陣取った私たち、顔をあげるとバーテンのお兄さんがいきなり奇声をあげるのだ!
バーテン: 「オー! ヒサシブリ、TAK!!」
その時TAKちゃんは、(カリフォルニアあたりのHRCなら、2,3人くらいの知り合いはいないとね♪)という私に対する優越感をヒシヒシと感じていたハズなのだ。 平常心をよそおい静かに握手を交わしながら、横目で(あれ、アンタは1人かい?)と言わんばかりの視線を投げかけてくる。 くそー、早くも1ポイントのビハインドか。 オレの後半の追い上げを知らないな。 今に見ておれ、絶対ギャフンと言わせちゃるぞ!
(ハリウッド店に寄り道、特大のハンバーガーを食べる)
その夜、ベッドに寝っころがってルービックキューブをイジっていたロゴホリックとは対照的に、数百人のアメリカ人に勝負を挑むべく、翌日の準備に余念がないTAKちゃん。 薄暗いホテルの照明の下、1つ1つ確認しながら無言でピンの整理をしているその姿は、穢れを知らない、まだ純粋だったあの頃のCiERA.NET管理人とウンチク大王Bのようである。 何も心配いらないよ、ここまで来ちゃえばアンタが主役なんだから。
本当は誰よりも今回の旅行を楽しみにしていたつもりなのに、何で無邪気に喜べなかったのだろう。 そんな自分が恥ずかしくなった私は、6面揃ったルービックキューブを枕もとに置き、窓の外に拡がる無数の星々を、誰もがアメリカンドリームを描き続けてきただろうハリウッドの夜空を遠く見上げながら、今まで正直に伝えられなかった思いを、ひたむきな彼に打ち明ける決心をしたのです。
ロゴ: 「遂に明日・・・、ラスベガスだね。 チケットの手配やホテルの予約、いろいろありがとう。 ちょっと無理しちゃったけど、朝一番の飛行機にしてよかったよ。 実はね、去年はピンのトレードに一生懸命だったから、ほとんど観光していないんだ。 だから、オレのためにわざわざ昼前に現地到着できる便を調べてくれた事、本当に嬉しく思っているよ。 オレはまだ今回で2度目のラスベガスだから、昼間の観光はTAKちゃんを頼りにしてるからね。 おかげで初めて、本当の海外旅行ってもんを満喫できそうだよ。 ピンのイベントも待ち遠しいね、きっとTAKちゃんビックリするだろうなあ。 お互い欲しいピンがGETできたら、絶対見せっこしようぜ! せっかく地球の裏側まで来たんだから、思いっきり楽しまないとな。 そうだろう、TAKちゃん?」
TAK: 「Z Z Z Z Z ・・・・・。」
ロゴ: 「・・・・・。 やっぱ、そろそろ寝たほうがいいよね。」
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