Vol.28-2

ヨーロッパへ旅立つ数週間前、ピンズイベント以外には特に何も他の予定がなかった私は、(せっかく行くなら少しは観光でもするかね)と、ぐっち君に聞いてみたのです。

ロゴ: 「オレ達って、アムステルダムの街を散策する暇なんてあるのかしら?」

ぐっち: 「いや残念ですけど、オランダに着くイベント前夜はおそらくHRCに直行するでしょうし、当日だって朝から晩までトレードしていれば、市内観光する時間の余裕なんてまず無いですよ。」

ロゴ: 「あ、そう。 まあオレはイベント参加だけが旅行の目的だから別に構わないんだけどさ、君の場合は1ヶ所でも多く観光名所をおさえておきたいタイプでしょ? 古い建物とか美術館なんかには行かなくてもいいのかなってちょっと気になったもんでさ。」

ぐっち: 「いやいや、僕もイベントに参加できればそれだけで満足なんですよ。」

ロゴ: 「そっかー。 いや、もし君にお気に入りの女の子とかがいるんなら、例えばゴッホ美術館あたりでお土産を買っておいて、自分が感性豊かな人間だというトコロをバッチリとアピールしつつ、日本に帰ってきたその日にさっそく手渡しに行っちゃったりしたら、君のポイントも相当上がるかな〜と思ったもんでな。」

ぐっち: 「・・・・・・・・、・・・・・・・・、・・・・・・・・! ・・・・・・・・!!! やっぱりゴッホ美術館には行きましょう!

何だったんだ、この沈黙? 芸術を不純な動機で鑑賞してはイケナイよ。 さては恋だね、ぐちぐちぐっち♪


(怪しいお土産屋を発見! 何でもアリのアムステルダム)

ホテルに荷物を降ろした私達は早速HRCへ向かいました。 すかさず路面電車の路線図を取り出すぐっち君、「旅行で海外にいる時くらい、ケチケチしないで贅沢にタクシーで行こうじゃないか!」と言う私の言葉に、「そうですね、その方が早く着くし、前夜祭を楽しむ時間が減ってしまいますからね。」と快い返事をしてくる。 よしよし、いい心がけだぞ。 今日のアンタはとっても素直♪ オレはただ、乗り換えが面倒クサかっただけなんだぜ。


初めて訪れるHRCというのは実に新鮮なモノである。 運河の脇、ライトアップされたアムステルダムの夜に浮かびあがるレストラン、私にとって17番目のHRCであった。

正面玄関から中に入ると、もう既にたくさんのコレクターがいたるトコロでトレードを始めている。 ネット上で見た事のある顔にあちらこちらで遭遇するのだ。 ふと横を見ると、見覚えのある女の子が他のコレクターと楽しそうに歓談している。 (あ、この人知ってるぞ!)と肩を叩いてこちらに振り向かせる。

ロゴ: 「君と逢うのは初めてだけど、君なら私の事を知ってると思うんだ。」

彼女: 「・・・・・、ロゴホリック!?」

ロゴ: 「そうさ、ようやく会えたね!」

彼女は突然、「キャーッ!!」と叫び声をあげたかと思うと、いきなり抱きついてきた! そうだ、彼女のHPを見ればわかるけど、この人ったらスキンシップ大好きなの。 アメリカ人の彼女、昨年のラスベガスのイベントには来なかったから、今回もアムステルダムには来ないだろうと思っていたんだけど、いきなり逢えたね。 そう、オレのページへのリンクをトップにつけてくれているんだぜ! ・・・・・でも、そろそろ離れてくんない?


とりあえず一通り店内をぐるっと一周しながら、片っ端から自己紹介をする事にした。

ロゴ: 「初めまして、日本から来たロゴホリックと言います。」

外人: 「オー、コチラコソ! ヨロシクネ!」

そして私の右脇の下あたりからニュッと顔を出して自分の名刺を差し出すぐっち君。

ぐっち: 「マイネームイズグッチ、ナイスタミーチュ!」

ロゴ: 「あ、アレはプライスガイド作ってるRON君だ! ヘーイ、RON! オレはココだよ〜!」

RON: 「ロゴホリック、トオイトコマデヨクキタネ!」

私と同い年で、ウルティマオンラインにハマっている彼。 ゲームの話で盛り上がっていると、またまた私の、今度は左脇の下からニュッと顔を出し名刺を渡したぐっち君。

ぐっち: 「マイネームイズグッチ、ナイスタミーチュ!」

「あー、ぐっち君。 オレはみんなに挨拶したいからココにいるけど、もう今晩からイベントは始まっているんだから、どんどん自分のピンを他のコレクターに見せてトレードを楽しんでも構わないんだよ。」と彼にアドバイスするも、「いや、なんか外人ばっかりで、1人でウロウロするのも心細いですから一緒にいますよ。」と、今回の旅にして初めて緊張している一面を見せるぐっちであった。

コバン鮫か、オマエは? まあいい、オレも店内で迷子になったら悲しいからな。 そんな時、突然知らない外人が私の腕を掴み、なんとも不愉快な一言を浴びせてきたのだった(笑)。

知らない外人: 「アーユー、グッチ?」

ロゴ: 「違ーうっ!!!」


ふと頭の上を見上げると、オーディオスピーカーに小さなHRCのロゴマークが貼り付けられているのを発見した。 「なんかコレ、ロゴピンみたいだね♪」と、隣にいたオランダの友人コレクターに話しかけると、「アーソレ、チャントTACガツイテルピンバッジナンダヨ!」との返事! マジかよ、非売品か・・・。 ロゴピンなら絶対欲しいぞ! でもオレって自分で言うのも大好きだけど正直者だし、断りもなくスピーカーから取り外して持っていくワケにもいかんしな〜。 「ちょっとアンタ、地元の人間ならお店の人に頼んで1個貰っておくれよ♪」とすかさず無理なお願いを試みると、「ヘヘヘ〜、ロゴホリックハゼッタイホシガルダロウトオモッテ、チャーント1コGETシトイタヨ!」と、ポケットからそのスピーカー用ロゴを取り出したのだ!

(スピーカーに取り付けられていた都市名無しロゴ。 ロゴギャラリーに早速追加!)

おお、エライよアンタ! 急にそのお髭もステキに見えてきたよ! 思いがけず、その存在すら知らなかったロゴピンをGETした私は、もう有頂天♪ それでもこのロゴピンを胸につけてもいいものかしらと、ソソクサとバッグにしまい込むあたりがまだまだなロゴホリックでありました。


その直後。 HRCロンドンからイベントのためにはるばるアムステルダムまでやって来たという、RITAおばさん登場! 今ではもうサーバーの仕事もなく、世界各地に新規オープンするHRCのセレモニーに出席したり、今回のようなイベントに招かれたりと、この世界では引っ張りダコの超有名な人だからね、もちろん一緒に写真を撮ってもらう事にしましたよ。

ロゴ: 「すいません、一緒に写ってもらえますかね?」

RITA: 「アラ、モチロンOKヨ♪」

ロゴ: 「やった! それでは早速ぐっち君、シャッターをお願いするよ!」

ぐっち: 「え? あ、はい。 それじゃいきますよー、はいチーズ♪」 パシャ☆ カリカリカリ・・・・・

ロゴ: 「カリカリカリ・・・・・って、出来ればフィルムは巻かないでくれるかい?」

ぐっち: 「あ、そうでした! すいません、ついいつものクセで巻いちゃいまして・・・。」

ロゴ: 「ははは、気にすんな。 ところで君は彼女と一緒に写真は撮らなくていいのかい?」

ぐっち: 「え? だってこのおばさん誰ですか、有名な人?」

ロゴ: 「へ? 何だ、誰かも知らずに撮ったのかい? 彼女が有名なRITAなんだよ。」

ぐっち: 「RITA、RITA・・・・・。 はて、そんなコレクターいましたっけ?」

知らないのなら無理して写真を撮る事もないやろ。 私がぐっちを置き去りにして、他のコレクター達のピンを見せてもらおうと2階へ上がろうとした頃になって、ようやくヤツも彼女が誰なのか気がついたようだ。 慌ててRITAおばさんの後を追いかけるぐちぐち。 バカめ、彼女は明日も来るんだぞ。 次期ウンチク大王の座を狙うぐっちのクセに、オマエはそんな事も知らんのか? そしてウンチク大王Bは大魔王Bへと昇格(某店舗マネージャー命名)。

初日の私たちはこんな感じでしたよ。 まずまずの好スタートだったのかな? さあ、明日はいよいよ本番です。 いったい何人のコレクターと知り合いになれるのかしらと思いめぐらし、ベッドに入る前にもトレード用のピンをしっかり整理してイベントに備えたのでした。

というのはウソで、そのまま朝まで爆睡したの。 そう、明日の事なんか何も考えずにね♪

3ページ目に続く


Vol.28-3