Vol.18
ジロジロ見ないで、OSピン!
1. Guam, USA Opening Staff Logo w/Dolphins
2. Bali Beach Club Opening Staff Dream Team
3. Yokohama Opening Staff Gray/White Zebra Striped Flying V
新しい店舗がオープンした時、それがたとえ平日であろうが地球の裏側であろうが(嘘)、HRCファンならやはり初日に行くでしょう。 午前11時の開店とともに、オープニング特有の雰囲気と心地よい緊張感の中、初々しいスタッフ達に最初のお客様として迎えられ、新品のテーブルに案内され、真新しい椅子に座り、まだ誰も使った事のないメニューで初めてのオーダー。 その日に行かないと味わえない貴重な体験だよね。
今年の4月27日にオープンしたHRC神戸は、レストランのオープンに先駆けて、約2週間前の4月15日からマーチャンダイスショップがオープンしていたので、27日を待たずに友人に頼んでオープニングピン(GOピン)は既に手に入れていたのですが(って言うか、他のコレクター達もみんなそうだったみたい)、やはり新登場のHRC神戸のオープニングスタッフピンを見てみたいとも思ったし、願わくばトレードでGETできたら・・・という思いを密かに抱きつつ、200個以上のトレード用ピンをバッグに詰め込み、会社を休んで新幹線で神戸まで行ったのでした。
さて今回の3つの写真のピンも紛れもないオープニングピンなのですが、Vol.14のそれらとはデザインが違いますね。 これらが噂の非売品、オープニングスタッフピン(OSピン)と呼ばれるモノで、新店舗のオープンにあわせて従業員達に配られるピンなのです。 もちろんお店では買えない訳ですから、貴方が欲しいと思っても簡単には手に入りませんし、私も簡単にはGET出来ませんでした。 それでも名古屋、横浜、神戸、福岡の4都市はまだ歴史も浅いし、近くに住んでいる人は、「地元のHRCのピンだけは全種類揃えたい!」と思う事でしょう。 いくら欲しくても、サーバーのお姉さん達が制服につけているピンを食い入るように見つめるのは、ハタから見るとメチャメチャアヤシイので気をつけましょう。 そういう時は、自分が欲しいピンを制服の背中や肩のあたり、またはヘアピン代わりにつけているウエイトレスを探す事です(笑)。
海外でしばしば作られている○○周年スタッフピン等と違い、オープニングスタッフピンは毎年作られる訳ではないし、生産個数も少なく簡単にはGET出来ないカリスマ性も手伝って、コレクターの間では大人気です。 同時になかなか手の届かない高嶺の花でもあります。
どうしても欲しがるコレクターの最後の手段として、トレードではなく、インターネットで海外のコレクターからベラボウな金額で買ってしまうというのがありますが、もちろんお薦めしません。 特にオープニングスタッフピンは、オープン直後にGETすれば他のコレクターに自慢できるという事なのか、売りに出しているコレクターの要求する額はいずれも破格のUS$300UP、もう法外です。 それでもある程度OSピンが出回ると、半年程でその価値は確実に下がり、そのあと何年もかけて緩やかなカーブを描きつつ、少しずつプレミアがついていくのです。 日本のHRCのオープニングスタッフピンは綺麗なので海外のコレクターも欲しがるのですが(大阪のモノはダメ)、私としては、名古屋、横浜、神戸、福岡のオープニングスタッフピンも、せいぜいUS$150の価値もつけばいいくらいと考えております。 ピンの相場については前にVol.10でも書きましたが、コレクターの間で流通しているプライスガイドは、ピンをトレードする時の目安にするためのモノなので、これを読んでいる貴方、「この金額で売れるのか!」等と勘違いしてはダメですよ。 ピンズはお金儲けの道具ではありません。 だから、まず日本のイベントピンを海外の生産個数の少ないイベントピンと交換し、その次にそれらの人気のピンを数個用意したら、だいたい相場がUS$70からUS$80くらいの数年前のGOピンやイベントピンと交換。 ようやくUS$100目前といったピンを2、3個手に入れた時点で、初めて海外のコレクター達に、自分の欲しいOSピンとのトレードの交渉を試みる等、プライスガイドを片手に、まるでわらしべ長者のようにピンズを手玉にとっていく事が大切、決してはずかしい事ではありません。 私の知り合いで、海外の有名コレクターたちとの見事なまでのわらしべぶりで、ガンガンのし上がってきた悪魔のような男(LA在住)がいます。 敵ながら、アッパレな奴! 私は先日、彼を “わらしべ1号” と命名しました。
先日訪れたHRC○○のオープニングは、ちょっとピンのトレードが出来る状況じゃなかったね。 さすがにスタッフの皆さんも忙しそうで、自分が持ってきたトレード用はおろか、マーチャンダイスで買ったばかりのピンを食事の時にテーブルの上に出して眺める事すらためらわれました。 それほどピリピリした雰囲気の中では、結局ただの1つもトレードをせずに、往復数万円以上の交通費をかけて、わざわざ平日に行ったにもかかわらず、食事のみして帰ってきました(笑)。 美味しかったからいいけどね。 まあそれでも、オープニングの日は特に忙しいのもわかっているし、お客さんが世界中のピンをテーブルの上に並べ始めたなら、興味のあるスタッフの人たちもついつい仕事の手を休めて見入ってしまうかもしれないから、もしそれが営業の妨げになるというHRCのご意向なら、もちろんそれに従う べきでしょう。 私はこの事もある程度予測していたので、結局1度もテーブルの上に自分のピンを並べる事もなく、そして、知ってるスタッフがいても決して私のピンを見せずに、そのご意向通りにお行儀よく振る舞ってきましたよ。
それでもねえ、ピンズをスタッフ達とトレードして楽しむのは、世界中のHRCが20年以上かけて育んできた1つの文化だし、例えば一般に発売されたレスポールギターピンとは違う4色の非売品のピンをトレード用として従業員達に配り、スタッフ側からもお客さん達とのコミュニケーションを図れるようにトレードを奨励して、このコレクションの文化を盛り上げているHRC(ストックホルム)等も実際にある訳だし、他にもシカゴ、ハリウッド、ニューポートビーチ、コペンハーゲン、バンコク、ラスベガス等、ごく最近ではナッシュビルでも、店をあげての全面協力で毎年のようにピンズトレードのイベントを開催しているくらいだから、来店客がピンを店内に持ち込む事自体営業妨害だと考える店舗がもしあるのなら、そのマナーの悪いお客さん対策のためにも、仕事の邪魔はしないようにとルールをしっかり告知した上で、曜日や時間を決めるなり、テーブルではダメだけどバーの中ならOK等、もっとオープンに考えた方が、訪れたお客さん達も働いているスタッフの人たちも、もっとハッピーになれるのにねえ。 だって私の知り合いの従業員の人たちで、ピンズが嫌いな人なんて1人もいないんだよ。 みんな好きでしょ、コレクションは楽しいもんな。
でも万が一、ただ来店記念にピンを買って何も知らずに食事中にそれらを眺めていただけで注意されたというのなら、その状況をよく見直してみましょうか。 これはHRCのみならず、プラネットハリウッドや他のテーマカフェでも同じ事が言えるけど、トレード禁止ならお店でピンを売ってるワケないもんね。 その点HRC、特に日本国内の店舗は、これだけたくさんの限定ピンを発売しているくらいだからコレクションにも理解があるハズなのでそんな事もないでしょう。 食事に来る人もお客さん、ピンを買う人も大切なお客さんだし、そしてルールを守った上でスタッフの人たちと楽しくトレードができるという、この当たり前の独自の文化も理解しないようなテーマカフェがあったとしたら、まったく悲しい事だねえ。
中央の写真、ハードロックバリビーチクラブのOSピンには1つの裏話があります。 貧富の差が激しい東南アジア諸国のHRCの中には、従業員達にとってレストランから支払われる給料よりも、お客さんからもらうチップ、それも現金ではなくHRCのピンズをもらい、海外から訪れた他のコレクター達に売るほうがお金になるという現実があり、 このOSピンも真っ先にそのターゲットになるハズでした。 しかし店側としては、せっかく新店舗のオープンにあわせてオープニングスタッフピンを作ったにも関わらず、オープンしたとたんにスタッフ達がOSピンをあっという間に売りさばいてしまったら作った意味もないので、“開店後3ヶ月の間はOSピンを売りません” という誓約書を書かせて対応したのです。 これは “売ってはいけない!” という決まりがあったとしても、生活のためにいつかは売ってしまうだろうという事も予測できたはずですが、案の定オープン3ヶ月を過ぎた頃から、瞬く間に海外へ流出していきました。 バンコクのHRC等も、従業員の給料はピン1個よりも安いといいます。 時給じゃないよ、日給だよ。 そこでは私の、「レアピンは買わずにトレードで!」という持論も通用しませんね。 OSピンをもらえるのは、オープンから働いているスタッフの特権、ある意味HRCから従業員達へのボーナスのようなもの。 人それぞれに事情もあるだろうし、レアなピンだからと、すぐにたくさんのピンとのトレードに使ったり、お金のためにコレクター達に売ったりしても、店側にはそこまで全てを制限する権利はあるものなのだろうか。 だから私も、いつか東南アジアのHRCに行く機会があったなら、いらないピンをたくさん持っていってあげよう!と心に誓うのでした。
実は日本のOSピンにまつわる黒い噂が海外で展開中、世の中にはなんとも悪い奴がいたもんだ。 レアなピンを銭儲けのために利用するマフィアの存在か? Logoholic Speaksでの来春公開(予定)に向けて、現在総力を挙げて調査中(特命リサーチみたいでしょ)!
今日は眠いので、続きはまたのちほど。